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歴史って面白い!


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大河ドラマ「鎌倉殿の13人」は、源頼朝が伊豆から挙兵し、平氏との闘いに勝利し、鎌倉に幕府に開く前半が終わり、頼朝以降、2代頼家、3代実朝を描く後半戦に突入しています。ここまで通して、この伊豆の地域が歴史の舞台としていかに華やかな場所であったか、当時の人々の活動を想うと、なぜかワクワクする気持ちが沸き起こってきます。例えば、富士では、富士の巻狩り、曽我物語(そがものがたり)、修善寺では、範頼、頼家の最期、伊豆の国の北条、三島大社での頼朝挙兵、函南の仁田氏、伊東の八重姫、沼津の阿野全成(あのうぜんじょう)・・・、この下土狩の地区では、源頼朝と義経の対面石のある八幡神社、巻狩りの際に頼朝が立ち寄ったといわれる鮎壺の滝。たくさんの名所史跡、ゆかりの地があります。今まで「~の歴史で有名な場所だね。」という程度の感覚だったものが、「ドラマあの場面と関係があるところか!!あの俳優さんが演じていた場所だ!!」と考えるだけで、歴史との距離がこれまで以上に近くなってくるような気がします。

私にとって大河ドラマは伊豆地域だけの話だけではありません。神奈川出身ですので、鎌倉やその周辺の出来事にも興味があります。例えば、梶原景時(かじわらかげとき)。ドラマでは中村獅童(なかむらしどう)さんが演じられていましたが、その梶原の別邸が神奈川県の寒川神社近くの一之宮にあります。小学校3年生の時、郷土の歴史として、梶原景時の館の存在を習いました。館の跡は小学校のすぐそばにあって、当時は古い建物があったところだなという認識でしたが、ドラマのミニコーナー「紀行(ゆかりの史跡をめぐる)」で、実際の場所が映し出されると、昔の記憶がよみがえってきました。少年時代、駆け回っていたあの場所で、梶原が、頼朝が、歴史が動いていた・・・。「歴史って本当に面白いな!」と思った瞬間です。ドラマの中の風景も、歴史に華を添えます。頼朝が石橋山の戦いで敗走し、態勢を立て直して千葉から鎌倉入りする場面で、頼朝は鎌倉を山のほうから見下ろしますが、遠方に稲村ケ崎(いなむらがさき)が描かれていました。「あの突き出し方は確かに稲村ケ崎!!」また、北条義時が所領を預かった伊豆の国の江間では、義時と八重さんの夫婦が会話している遠方に、江間の山並みの稜線が見えました。「高くなく低くなく優しい感じが着実に表現されている!!」実際に訪れた場所だからこそ、ドラマの細部にわたるまで関心が寄せられますね。今回の大河ドラマは、伊豆から相模にかけての地理的な連続性が見られます。現在のような静岡県、神奈川県というくくりではなく、生活圏として一体であったことが分かります。鎌倉殿の13人は、もう最終章です。3代将軍源実朝の最期、大政奉還まで続く武士の支配を決定づけた承久の乱をどう描くかとても楽しみです。「歴史って本当に面白い!」地域の歴史に目を向けてみると、意外な発見があると思います。
下土狩校 小林一弥