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中3第1回学力診断調査(学調)の社会について


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学調が終わって、その日に生徒たちに感想を聞きました。「SDGsって何?知らないよ。」とか「京都の自転車タクシーなんて教科書のどこに書いてあるの?」など、今回は生徒から見て想定外の出題が多かったようです。例年、かなり変わった切り口で出題されるのが学調の社会です。思考力・判断力・表現力を見る観点からの問題作成です。作成しているのは静岡県の「校長会」というところです。文章で説明する問題が多く、また、それらの配点も高いので、個人差はありますが、高得点をとるのは難しかったです。県全体の平均点は、推定ですが、25点(50点満点)くらいでしょう。

ただ、後日、すこし冷静になって問題を解き直ししてみるとわかったと思いますが、SDGs・持続可能な開発目標Sustainable Development Goalsは、解答とほとんど関係ありません。学調は校外での問題のコピーは禁止なので、直接は示せませんが、例えば最初の問題です。まず、SDGsのアイコン1(貧困をなくそう)とアイコン2(飢餓をゼロに)を出して、それに関連すると思われる食料の不足具合を示す世界地図を見て、そこから食料不足がもっとも深刻な州を見つけます。地図のようすからアフリカがもっとも深刻だとすぐにわかるので「アフリカ州」を解答します。その後の問いは、中国の農業のようすの図から「適地適作」と「米の二期作」を解答します。それらは、アイコンが示す「貧困」や「飢餓」に直接は関わっていません。このように各問いのスタートラインにSDGsのアイコンが配置されていますが、それを気にしなくても、問題文を読んで資料を見れば解いていけるのです。(ちなみに、SDGsそのものが重要ではないということを言いたいわけではありません。SDGs17個の目標はきわめて大切です。)

歴史分野では、2024年に予定されている新紙幣発行を話題にして始めていますが、年表に人物が並んでいるのと同じと考えれば、紙幣発行そのものは各問題と関係ありません。教科書にのっていない二宮尊徳(金次郎)も、問題の中にイラストと生没年が示されていますから、どの時代の人なのかわかります。すべての問題はそうした特徴をもっています。

以上のように、一見、知らないようなことが冒頭に置かれた問題作りになっていますが、落ち着いて考えれば普通のテストと同様に解けるものです。第2回学調も、そういうスタイルをとるかもしれません。どんな話題ではじまっていようとも、個々の具体的問題に集中して解いていきましょう。そして、重要なことは、基本用語を覚えておくのはもちろんですが、その場で資料等から考察し、決定し、書き表すという思考力・判断力・表現力に対応できる練習を積まなければならないということです。これは第2回学調だけに関係するのではなく県の入試本番にも関わります。今後の社会の学習には、そうした「思考力問題」をメインに進めていきましょう。

御殿場校 澤味 進