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想像力を働かせよう


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先日中学1年生の国語の単元である「『エシカル』に生きよう」について授業を実施しました。「エシカル」とは直訳すると「倫理的な」という意味で「法的な縛りはないが、多くの人が正しいと思うこと、社会的規範」をさす言葉です。
話の概要としては、フェアトレード(発展途上国で作られた作物や製品を適正な価格で取引することで、生産者の生活の向上をはかる貿易の仕組み)に関するものやプラスチックごみが自然界にもたらす影響などの現状を踏まえて、「消費から廃棄まで」について真摯に考えることがテーマとして書かれています。
話の最後に
「なぜ、人間だけがゴミを出すのでしょうか。」
という問いがあります。これについて生徒たちに聞いてみました。いろいろな意見がでてきました。一部を紹介します。
「人間以外の生き物は食物連鎖の中で生き物が生き物を食べることを繰り返すが、人間は売り買いすることによって、製品が必要になったから」
「人は他の動物よりも脳が発達しているので、たくさん便利なものを作り、自然に分解しないものを作り出すから。」
「人間だけが、製品を作り出し、その技術を持っているから。」
「人間は自然環境にはないものを作り出しているから。」
「人間は環境のことをあまり考えず、自分の幸せ(発展)のことしか考えていないから。」
なるほど、と思う回答がたくさん見られました。たいしたものだと感心すると同時に、しっかりと考える力を身に付けていってくれていることを嬉しく感じました。
国語の授業では、なるべく深くイメージさせ、たくさん考える時間を作ることを意識しています。時には一つのことについて、時間をかけて何人かの意見を聞き取りまとめて見解を伝えるということもします。その積み重ねが、本当の意味で「考える力」を養っていくと信じているからです。
また、国語の教科書はそれを読む中学生たちに必要な考え方を伝えるために、わざわざ執筆してくださっている方々がいます。最後の出典のところに「本書のために書きおろしたものである。」と書かれているものがそうですね。この「『エシカル』に生きよう。」もその1つです。ダイレクトに伝えたい筆者の強いメッセージがそれぞれの作品には見て取れます。
生徒たちにも「今の君たちに必要な考え方、また今の時期の君たちに感じ取って欲しいことを、教科書を通じて伝えてくれているんだよ。」と話をしています。
学力ももちろんですが、教科書からさまざまなことを読み取り、感じることによって、心が動かされ、琴線に触れ、豊かな人間性を育んでいって欲しいと願っています。そしてその一端を担うことができればと思い、今日も生徒たちに色々な話をしていきます。