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諦めない


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「だって、先生が言ったじゃないですか!諦めるなって。」かつての教え子が私に言った言葉です。

そうです。確かに私は彼に言いました。高校入試の時に「諦めるな!」と。

彼は高校受験の際、内申点に苦しんでいました。当時彼が志望していた高校は、合格者の最低内申点の目安が38でした。彼の内申点は37。1点足りません。受験校決定面談の際、彼は自信がないことを口にしますが、どうしても諦められないようでした。保護者の方は「本人の好きなようにすればいい。ただし後悔だけはしないように。」と言っておられます。
そこで私は彼に言いました。「だったら、諦めるな!可能性のある限り頑張ろう!」と。

結果、高校受験は思うような結果は得られませんでしたが、彼は前向きに高校生活を送ります。彼とはその後、私が転勤になったため疎遠になりました。

次の再会は私の転勤先の校舎でした。転勤先の近くの大学に合格したからとあいさつに来てくれたのです。その大学は地元ではだれもが一目置く有名大学でした。聞くと、法学部に進んだとのこと。私は深く考えずに「じゃあ、将来は弁護士だな!」と彼に言いました。その時彼は、ニヤニヤしていただけだったのですが…。

数年経ったある日、彼から久しぶりに連絡がありました。会って話がしたいとのこと。
彼は校舎に来ると、ニコニコしながら私に言います。「先生、やりました!」
「何をだ?」私は訳が分からず聞くと、彼はまた「やりました!」と満面の笑みで答えます。
しばらく考えて、頭をよぎったことを聞くことにしました。「まさか、司法試験か?」
「はいっ!」と元気な返答が返ってきました。
瞬間、私は鳥肌が立ちました。確か大学を卒業して2~3年経過したくらいでした。ちょうど法科大学院が各大学に設置されたころでしたので、幾分司法試験の合格者は増えてはいましたが、それでも当時の合格率は一ケタの超難関の資格だったと記憶しています。彼は大学卒業後、専門学校に通いながら勉強したそうです。
「お前、すごいな…」思わず口から出た言葉でした。すると彼が言ったんです。

「だって、先生が言ったじゃないですか!諦めるなって。」

教師の発言は、時に生徒の人生を左右します。私は身をもって体験しました。
生徒を良き方向へ導くために、私は今日も緊張感をもって教壇に立ちます。