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私は一日も怠けたことはない


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みなさん、「私は一日も怠けたことはない。」と胸を張って言い切ることができますか?私は胸を張って「No」です。(笑)
なんと、歴史上そう言いきれる人生を送った人物がいたのです。それは15歳で彫刻を始め、89歳で死ぬその日まで一心に働き続けた、ミケランジェロ=ブオナローティ(1475~1546)です。
彼は人々がほめたたえるすばらしい作品を次々と世に送り出しました。その作品群は、現在、人類全ての宝と言っても良い価値を持っています。だが、その作品に全く満足しようとしない人物が一人だけいました。それは、ミケランジェロ本人でした。彼は常に前の作品を乗りこえて、自分の能力の限界に挑みました。そんな彼の姿を作品として最もよく伝えるものが、「ダヴィデ像」と名付けられたあの有名な大理石の彫刻です。
「ダヴィデ」は、古代イスラエルで、祖国を救った羊飼いの若者です。宿敵と言って良い、彼の何倍もの力を持つ巨人、ゴリアテをみごと打ち倒しました。ふつう、こういった英雄の像は、敵を倒した後の勝利の姿を描くのが一般的でした。しかし、ミケランジェロは違いました。彼が描いたのは、勝利を誇るダヴィデではなく、これから戦いに向かう、まさにその一瞬の若者の姿でした。敵を射すくめるように見つめて動かないまなざし、戦いを前に、きりりとひきしぼられた全身の筋肉。燃え上がるような気迫と緊張が伝わってきます。
勝利を誇る姿・・・それも美しいものです。しかしそれ以上に美しく気高いのは、挑戦する、挑みかかる姿ではないでしょうか。ミケランジェロは、人間の生涯における、最も厳しく、そして美しい一瞬の姿を、大理石に刻みつけることで永遠のものにしました。この像にむかうとき、まるでダヴィデ自身が、挑戦する姿の美しさ、すばらしさを訴えているようにさえ思われます。
人間こそは、挑戦する権利を与えられた動物です。時には敗北が待っているかも知れません。しかし、敗北とは、倒れることではありません。自分の心が「もうだめだ」と、認めることではないでしょうか。たとえどのような結果であっても、「いまに見ていろ」「今度こそ必ず」という意志のある限り、それは敗北ではありません。次なる勝利へのステップなのです。みなさんが一生懸命に夢や目標に向かうにあたって、まさに、この挑戦する精神、姿勢が大事なのではないでしょうか。