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日本の足元事情


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いつも通りの授業が再開してから早一か月、日差しはみるみる強くなり蒸し暑い季節がやってきました。本格的な夏の到来です。コロナによるイレギュラーもありますが、三進は例年以上の力を注いで夏セミナーや夏期特訓を開催します。皆さんにとっても忙しく賑やかな夏となるはずです。
さて、こんな梅雨の時期ですので足元を見ていると丸い穴がいくつも空いたゴムサンダルを履いている人を見かけることが増えました。クロックスという、何年か前に売り出されて爆発的にヒットした人気商品です。この商品が売れた背景の一つには、日本の気候に靴と靴下がまるで適していないことが関係しています。
これは中学生で学習する内容ですが、日本は温暖湿潤気候という暖かく降水量の多い気候の地域です。少なくとも江戸時代まではそれに合った服装をしていたはずですが、明治に入ってから事情が大きく変わりました。欧米の文化を取り入れようとする欧化政策が進められ、スーツや革靴、靴下といった洋装が好まれるようになったのです。
ヨーロッパに追いつくことに必死だった日本人は気候の違いなど気にもかけませんでした。ヨーロッパにある代表的な温帯の気候は、西岸海洋性気候と地中海性気候などです。このうち、イタリアの大部分が属する地中海性気候は、夏の降水量が少なく乾燥しているという特徴があります。少なくとも、日本ほど汗で靴の中が蒸れることはないでしょう。現在まで続いてきている、スーツに革靴という正装は少々不自然な恰好というわけです。
それと比較したとき、通気性のよいゴムサンダルは日本の気候に合うものでした。靴と違って空気がこもらず、すぐに汗が乾きます。靴の中が汗でべとつく不快感にも悩まされずに済むわけです。靴よりクロックスが好まれるのはごく自然なことだったでしょう。
以上の流れは皆さんが今まさに勉強している社会の内容から理解できるものです。テスト以外でも勉強してきたことが役に立つ場面はあります。好奇心を大切にして、この夏を過ごしていきましょう。

沼津本部校 伊東航汰