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森は海の恋人


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「漁師さんが山で植樹をする??」そんな話を学生時分に聞き、驚いた経験があります。当時、大学の授業のゲストスピーカーとして、宮城県のNPO代表の畠山重篤(はたけやましげあつ)さんが招かれました。畠山さんは自身の活動について、次のように話されました。「宮城県の気仙沼湾(けせんぬまわん)はリアス海岸で養殖漁業が有名です。しかし、近年赤潮の影響で、カキの生育が悪くなっています。カキは植物プランクトンを食べますが、赤潮でやられてしまうんですね。その植物プランクトンを何とかするためにも、山に森を作り、川に流れ出る養分で、下流域の海を豊かにし、植物プランクトンを増やしていこう、としたわけです。」
海は海、里山は里山、と分けずに、自然を大きなつながりで見る、この視点は当時の私にとって衝撃でした。しかも、山に植樹をすることで、里山の管理にも注意がいくし、森が育むミネラルは、海の生態系を維持するにあたってもとても役立ちます。一石二鳥、いや三鳥といえる活動なのではないか、と感心しました。

さて、話は変わりますが、※SDGs(持続可能な開発目標)に関する17のルールが2015年の国連サミットで採択されました。17のルールの中に『海の豊かさを守ろう 陸の豊かさも守ろう』というのがありました。先ほどの畠山さんの活動は、持続可能な社会に向けてのルールを具体化するような活動です。今から約30年も前に、活動を始められていたのですから、時代を先駆けた活動だったわけですね。
最近になって、SDGsという言葉も新聞の紙面にようやく載るようになってきました。静岡市でも12日にTGC(東京ガールズコレクション)のイベントと重ねて、SGCs普及の取り組みが行われました。SDGsをいまどきのファッションイベントとコラボさせたのは、エコロジーをライフスタイルへ取り入れようとする若者への強いメッセージと受け取れます。SDGsやエコなどが、カッコイイものとして、普及していけば、これからの世の中をよくする一つのヒントになっていくのではないかと感じます。これを読んでいる生徒のみなさん、SDGsという言葉をよく覚えてくださいね。先日行われた中2学調の社会でも「持続可能な社会」についての出題がありました。これからの社会を考えていくうえで、ぜひ押さえておきたいキーワードといえるかもしれませんね。

※SDGs(持続可能な開発目標) Sustainable Development Goalsの略称

下土狩校 小林一弥